2025 春アニメ まとめ
Contents
・前提
・所感
1,魔女ものの多極化とラブコメの摩滅?
2.中華文化によるヒーローの再話
3,懐古と日常系の正しい「終わりと始まり」、日本神話の可能性
・2025夏アニメについて
・2025春アニメ総括
殿堂】
「アポカリプスホテル」「TO BE HERO X」「前橋ウィッチーズ」
BEST】
「忍者と殺し屋のふたりぐらし」「ウマ娘 シンデレラグレイ」
「九龍ジェネリックロマンス」
WORST】
「機動戦士GundamGQuuuuuuX」(敢えて)
「Summer Pockets」「紫雲寺家の子供たち」
「男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)」
次点】
「GAMERA -Rebirth-」「小市民シリーズ 第2期」「ひみつのアイプリ リング編」
「ムーンライズ」「LAZARUS ラザロ」
ジャンルごと】
魔女もの枠)
「ある魔女が死ぬまで」「アン・シャーリー」「ウィッチウォッチ」
「プリンセッション・オーケストラ」「おいでよ魔法少女村」
ヒーロー再話)
「ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-」
「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」
「この恋で鼻血を止めて」「Devil May Cry」「ニンジャバットマン対ヤクザリーグ」
「未ル わたしのみらい」
女性向け)
「WIND BREAKER Season 2」「薬屋のひとりごと 第2期」
「クラシック★スターズ」「黒執事 -緑の魔女編-」
日本神話)
「鬼人幻燈抄」
日常系)
「ざつ旅-That’s Journey-」「ツインズひなひま」「日々は過ぎれど飯うまし」「mono」
「リコリス・リコイル Friends are thieves of time.」
「阿波連さんははかれない season2」「ボールパークでつかまえて」
「宇宙人ムームー」
ラブコメ)
「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」(再放送)
「履いてください、鷹峰さん」
ガールズバンド、部活)
「ロックは淑女の嗜みでして」「青のオーケストラ」
リバイバル)
「真・侍伝 YAIBA」
ホビー)
「魔神創造伝ワタル」
異世界転生、悪役令嬢) ※未見
「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治療師、闇ヒーラーとして楽しく生きる」
「俺は星間国家の悪徳領主!」「片田舎のおっさん、剣聖になる」
「勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~」
「完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる」
「ゴリラの神から加護された礼状は王立騎士団で可愛がられる」
「#コンパス2.0」「最強の王様、二度目の人生は何をする?」
「白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます」
「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになっていました~そのに~」
「ちょっとだけ愛が重いダークエルフが異世界から追いかけてきた」
・まとめ
・前提

採点方法について)
本記事及びアニメ探求はマーケティング勉強の一環、
「表象文化論」の実践の場である。
やる気次第でいつまでするかは未定。
アニメは総合芸術だ。
演出は勿論、脚本、絵コンテ、キャラデザ(性格設計の掘り下げ深度含む)、美術(背景、小物)、音響、音楽、OP,EDを総合的に各4点満点で採点した結果が添付のExcelであり、記事中の作品ごとの点数(全話の平均点)となる。
ゆえに絵コンテや美術がすさまじい「機動戦士GundamGQuuuuuux」、
音響も含めて良い「SummerPockets」など、
その科目のみ高得点となっているが、総合点はまた異なる様相となる。
ちなみに文化的状況に挑戦する姿勢がみられる場合は、
上記の科目に加えて「文藝性」の項目が追加される。
「アポカリプスホテル」「TO BE HERO X」「前橋ウィッチーズ」
などはこの「文藝性」での影響が大きい
付記)上記の採点方法は「増補改訂版アニメ研究入門」、「アニメ研究入門(応用編)」(いづれも小山昌弘、須川亜紀子、現代書館)などから借用しているため、
それらへの理解度、および筆者の力量が全面に良くも悪くも反映される。
しかし恥を承知で言えば、筆者の現在地を示すことは、将来的な反省とさらなる未来への展望を可能にするものと信じている
・所感

1,魔女ものの多極化とラブコメの摩滅?

実は魔女物の再定義の流れがあるかもしれない。
2025年末に上映が延期されている「魔法少女まどか☆マギカ」新作の影響もあるかもしれない。
2024秋の「アクロトリップ」「マジルミエ」「まほなれ」に続き、
2025冬の「魔法使いの約束」「プリキュアMIRAI DAYS」、やや毛色が異なるが「もめんたりー・リリィ」もここに入るかもしれない。
これらは「欲望/推しへの忠実性による現実の塗り替え」や「職業による新世界の構築」を希望しつつあることが予期されていた印象がある。
2025春は魔女物が豊作。
「前橋ウィッチーズ」「ある魔女が死ぬまで」といった認知療法的な魔女表象のアップデート、「ウィッチウォッチ」などの古典的ギャグ魔女、
「ひみつのアイプリ」「プリンセッション・オーケストラ」
「きみとアイドルプリキュア」といった女児枠、
やや毛色は異なるが「アン・シャーリー」。
魔女物の多極化は女性の多様性や可能性を巡る説話の体系が豊かになりつつある反映であるだろう。
とくに石岡良治をして「ポストプリキュアの可能性」を示唆した
「前橋ウィッチーズ」は、
吉田恵梨香(アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」朝ドラ「虎に翼」の脚本構成)の力量と相俟って、2025春アニメとしても必見の作品であろう。
一方で「ひみつのアイプリ」「プリンセッション・オーケストラ」など女児向け想像力においてはメタバース世界における自我の構築というテーマが広く児童に浸透しつつあるかもしれない(この文脈では「魔神創造伝ワタル」も該当しそう)。
ただし※「プリンセッション・オーケストラ」は女児向け作品の皮を被ったおっさん向け作品である(石岡良治)
※「神姫絶唱シンフォギア」と同じ主要スタッフが参画している
個人的には最近、この「女児向けの想像力」に希望を感じている。
劇場版「たべっこどうぶつ」も良い。
「プリティーリズム レインボーライブ」などもお勧め(2010年代作品)

一方でラブコメは厳しい。
「男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)」(J・C・STAFF)
「紫雲寺家の子供たち」(動画工房)、「SummerPockets」(Key,Visual Arts)、
は、かなりきつい。
もはや時代遅れのロマンスの構造で、
ギャグやインセストタブーやセカイ系美少女にしかマーケットのパイが残されていないのかもしれない。
セカイ系ミステリの残滓を残す「小市民2期」(ラパントラック)、
筆者は完走していないが、意外とまじめなラブコメとして好評である
「履いてください、鷹峰さん」(ライデン・フィルム)は、意匠や脚本での課題は観えるも一定の成果といえそうだ。
2.中華文化によるヒーローの再話

俄かにヒーローブームかもしれない。リ・ハオリン監督の「ToBeHeroX」「この恋で鼻血を止めて」、特に前者がやばい。石岡良治が評したようにリ・ハオリン監督は「独りUfotable」として日本アニメ市場に明確に爪痕を残してきている。前作「RINGING FATE」「時光代理人」なども重要。
「ヴィジランテ」も悪くは無かったが主題と画面創りに課題が残った。
「LAZARUS ラザロ」を観て喜んでいる日本人は危機感を持った方が良いかもしれない。もはや作品の品質も思想も、中華系アニメーションは、日本アニメ文化の源泉たるDCコミックスやディズニーを換骨奪胎して現代的に更新する意図が明確に観えてきている。
3,懐古と日常系の正しい「終わりと始まり」、日本神話の可能性

懐古系作品の増加を感じる。
かなり批評的な介入を試みた傑作「九龍ジェネリックロマンス」はもとより、
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」(ガンダム懐古)、
「SummerPockets」(セカイ系回顧)、
「GAMERA -Rebirth」(特撮回顧だが現代性も)、
「LAZARUS ラザロ」(セカイ系回顧)、ある意味「小市民2期」も懐古系といえそうだ。
さらに2000年代の残滓の代表名「日常系」の需要もまだまだ残る。
「ざつ旅」、「mono」、「日々は過ぎれどめしうまし」。
それに対して明確なアンチテーゼとしての「アポカリプスホテル」、
「忍者と殺し屋のふたりぐらし」。
雑にまとめるなら1990年代の残滓である「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」、
「SummerPockets」、「LAZARUS ラザロ」あたりを、
「九龍ジェネリックロマンス」がまとめて葬るような構図であり、
「ざつ旅」、「mono」、「日々は過ぎれどめしうまし」あたりを、
「アポカリプスホテル」、「忍者と殺し屋のふたりぐらし」が葬るような図式となる。
「アポカリプスホテル」、「忍者と殺し屋のふたりぐらし」は、
日常系を葬ると同時に同時に神話の再構築のような可能性も見せており、
この文脈では「鬼人幻燈抄」も興味深い存在。
「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」も神話系統であり米国市場志向だったが散漫で性急な印象が残った。
・2025夏アニメ

話題作では「タコピーの原罪」
(石岡良治によると、異性愛は闇なので男性は男性、女性は女性で仲良くしろ的メッセージを感じる。ここが現代性なのか安全弁なのかは分かれる)
「神椿市建設中。」
「CITY THE ANIMATION」
(石岡良治によると、京都アニメーションがジェネリック新海誠を捨てた路線転回が注目される。現代アニメ超講義で言及したが「日常」は評価できない。佐藤誠くささが京都アニメーションを変えるか。)
「ダンダダン2期」
「ぬきたし THE ANIMATION」
「怪獣8号2期」など新作、続編と数には事欠かない状況。
しかし意外とマイナーな「光が死んだ夏」

「フードコートで、また明日。」、
「瑠璃の宝石」、
「サイレントウィッチ」などもお勧め。
「アークナイツ3期」
「ガチアクタ」
「New PANTY & STOCKING with GARTERBELT」
も良さそうである。
追記;
「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」
(石岡良治:リップシンクを完璧にした3DCG。少し前の緩いアニメ。gdgdフェアリーズなど参照であり更新されている。着せ恋2期とウィッチウォッチは作風が似ている。CITYも含め。アニメスタイルは世界中が漠然と考えるバブル期日本。アニメっぽいビジュアルで世界にアニメキャラを出す作品)
・2025春アニメ総括

殿堂】
・(ミステリー、ホテル)アポカリプスホテル

総評 92.5点
悠久の時空間は情動を生み出し、惑星も惑星外も包摂する。地球はホテルであり止まり木である。ホテルを媒介に無限の時空間が豊かさを諸行無常的に示される。ホテルに集う有象無象の外来種が豊かな生態系を産みだす悠久の時間と空間が縦横無尽に提示され、錆びた地方都市の可能性すら沸き立つ。
アポカリプスに集う惑星辺縁の来客がホテルの空間可能性を無限に引き延ばし非常に魅力的。アザラシ拍手やペガサス甘嚙みを始め生命体描写も素晴らしい。郷愁を優しくスケッチピアノで包む美術も堪らない。音響では崩れ去るアンドロイド従業員も廃墟ビルの朽果て方も、割れた鏡でのファッションショーも映える。祠すら郷愁を興す
石岡良治:ベスト評価(多くのアニメはラスト2話を冒頭にして終わってしまう)
ラスト2話までは次点。埋もれている。廃墟を散歩する回がラスト2話。凡庸な作品は序盤にやる。壊滅する東京で待ち続けるから人類がどうかの判断にもなるが、人類最高でもなく、人類がゴミではない。人類お姉さんは良い造形。人類最高は嫌(フリーレンは人類最高)。街並みは序盤で少し見せつつ、回遊し世界観を拡げる最後が素晴らしい。竹本泉の現行漫画作品より良いのではないか。自分は初期派。狸は良い。ポン子は実質主役。とっとと世代交代するのが良い。弟がダサいTシャツを着てろくろを回すのも良い。自分は弟でろくろ回す派。
・(ヒーロー再話)TO BE HERO X

総評(1期) 92点
信頼値=監視社会獲得値であり秘匿情報の暴露が低下に結実、個人はナラティブで破滅させられる。ファンがいなければあなたは何者でもない。何者でもない=凡人の努力の現場こそHEROへの回路が問われる。10話が象徴的で、風評被害の演出の多彩さ、Webからリアルまで目を見張る。日本のアニメは危機感もつべき
石岡良治:次点評価。(「無数の作風の集約」だが興味深い。数話ごとに作風が変わる。しかしリ・ハオリン監督はUfotableやWitStudioや8bitなどなど複数スタジオを撮りまわしているのではないか?中国の良いアニメを幕の内弁当的に見せるのは、どこまでヒットするかも含めて重要。中国がアメリカを上回れないのは単純で、アメリカニズムにくっつきながらも普遍的なものを創るかどうかの理念的問題。日本は中国文明にくっつきながらも露悪化し差異化しがち、浄瑠璃など。中国はストレートに王道な文化を創れるが、エンタメでどうかは疑問。本作、この恋で鼻血を止めてはアクションものに取り組む。英名君主、スーパーマンのようなものを生み出せれば勝てるのかもしれない。「キングダム」など。中国は国策関係なく有名な古典が無数にある、三国志など。でも国家認定の瞬間に皆殺しになる。日本はBLでしめるだけ。紅楼夢などハーレムものも重要)
・(魔女もの枠)前橋ウィッチーズ

総評 94点
映画トラペジウムへの返答、あるいはアイドル論と接続すると、アイドル自身が自己肯定するのがokとする思想はかなり有効性がある。一方で、いわゆる認知療法的アイドルが有効性を持つ場合、奈落の底の途中まで人の痛みに寄り添う活動は無自覚に肯定し得ないものだろう
だからこそ「魔女」として異化して溜飲を下げるのかもしれない。
良い点:
吉田恵梨香の造詣精度の高さが音楽と絵コンテにドハマリ 普遍的な少女文藝たりえる。
検討課題:
チョコちゃんは魔法で救われず、現実的に闇落ちする可能性がある。彼女を包摂する経済的、文芸的意匠が重要
石岡良治:ベスト評価(1話がよくなかったが)
スロースターター、1話が一番ダメ。1話出オチよりは良いが、寒い。最初が埋もれるのは寒い。お花屋でライブをやるモチーフがきちんと繋がっていない。また、ラブライブ的ではない。
BEST】
・(日常系、日本神話)忍者と殺し屋のふたりぐらし

総評 90点
演出;日常は生死の狭間であり情動で移ろい記憶で彩づく。生きることは刹那の永遠の切り出しである。80年代的から20年代的コンテとの往復で非日常が覆われる。
情動も行動も完璧に調律された人工物が閉じた世界の狂気を終りなく増幅する恐怖の5話が白眉
脚本;喪失からの再生は神話の再話であり港湾の戦闘が無生物と生物の瀬戸際を逡巡する。最後の二人の会話が漸進的な関係と日常の可能性を魅せる
絵コンテ;意図と視線を巧みに誘導するテンポが凄い
キャラデザ;最終回は因果応報で死んでも良かった
OP;歌詞と曲調に絶妙にマッチさせるギャグテイスト全開のカットが良い
ED;ポップでキッチュなメロディを画面全体で微分しつつ色彩の上澄みを回す
石岡良治:ベスト評価。(超重要だが「(原作は)嫌い。「まりあほりっく」と同じくらい嫌い。寮長先生と犬は良いがメインキャラが嫌い」)。ただしベストワン。芹澤優が演じるまりんが良い。うまくない給食でまずいものを味噌汁で流し込むのと同じ構図。天国世界で殺しを回収しちゃうのは、胸糞悪いのかもだが、巧くない。
CITY THE ANIMATIONは京都アニメーションの転機だが本作はシャフトの転機。
ゼロ年代後半にシャフトはまどか☆マギカ語りや物語シリーズで大量の原作をこなす時期があったが、10年代後半に失速した。まどか☆マギカ映画以降の準備を予感する。
・(スポーツ)ウマ娘 シンデレラグレイ

総評(1期) 87点
岐阜の女子高生ウマの骨肉の争いはライトな男オタ以外に受けるのか、答えはYes.有り得ない前傾姿勢描写の説得力が凄いのはゲームCGの蓄積。オグリキャップの造詣は中々に良いが、エフェクト以外で緊張感を出すレースは難しい。
川井憲次の音響が映える。6-8話が秀逸
石岡良治:ベスト評価(原作力のような気もするが)
EDが好き。ベストにしやすい。大作枠。青年漫画はポテンシャルが減ってきている。ヤンジャン、ヤンマガ、モーニングが実写映画をぐるぐる回すことでメジャー感を創っていた。オタクコンテンツは格下感があったが、今はやる気を出しており、とばくをネタにしてスポーツものをやる挑戦でありその一つの萌芽が本作。コロコロの「スピスピゴルスチャン」は参照するべき良作。
・(懐古、ラブコメ)九龍ジェネリックロマンス

総評 87.5点
日本ではなく九龍/台湾舞台を設定し、郷愁の持つ退行性と暖かさを批判的に検証する傑作。クローンは成り代わりであり変化を望まないノスタルジーの似姿である。思い出とは蜃気楼であり他者の投射であり、差異を反復しグロテスクな現実を剔抉する。工藤の認識とともに崩壊する世界は2020年代主要国家を激しく逆撫でる。自我が記憶と意思で形成される故の令子の決断は清々しいが、性的自我に支えられる幻想は危うい(自我の起源:真木悠介)
石岡良治:(ふつう、原作おすすめ)
WORST】
・(懐古、SF)機動戦士Gundam GQuuuuuuX (敢えて枠。文化の終わり)

総評 76点
ニュータイプとは逃げ切れない1980年代思想の再話だった(orz) 準ワースト
後半が面白い(最終話除く)。登場人物の思想が総じて1990年代で停止する思春期の男子の女子への置き換え(終わりなき日常への反抗)であり、あくまで歴代ガンダムのパロディの政争に晒される素材に過ぎない。九龍ジェネリックロマンスに投げ込むべき。マチュとニャアンの関係は、ルルとスザクというよりZのエマとレコアである(非重要)。
それを過度に美化し擁護する伯父さんを自己犠牲的に描写するのが痛々しい。
ニュータイプを別世界との境界的存在と位置付けるのは許容できるが別世界の魅力が無いのは厳しい。
ガンダム風味のポピテプテックという文脈はGガンダム的な拡張性として考える余地がある.
検討すべきは、母性のディストピアの源泉たるララァを殺害しながら最後でシャアと再会させるポリコレであり、
中年男性を慰撫するしか市場の可能性を見出せない日本アニメ市場の閉塞性であり、
リファレンスをシミュラークルに昇華できないクリエイターが受けてしまう文化的貧困だろう
石岡良治:ワースト評価(クランバトル部分の独自性は?)
New Panty&Stocking with Garter beltの2話のカードバトルの10分の方がGundamGQuuuuuuXの前半より面白い。クランバトルは形だけでもホビーっぽさを偽装してほしかった。旧GAINAXは、まどか☆マギカと同じく、アニメは子供向けではない意識があるが、キッズの過去を忘れて中年伯父さんが気持ちだけキッズなのが良くない。
帰ってきたウルトラマン、などの子供に対する検討が重要。子供はウルトラマンとコーラスする。好きな子供向け要素は、庵野秀明の扮装含め振り捨てるだけで良いのか。クランバトルには少なくとも遊戯王のような中二病敵要素は入れるべきだった。
トリガーの方がよい。小二病、パンストはエロというよりタダの下ネタである、小二病。GundamGQuuuuuuXに不足しているのはトリガー力、小二病。ガンダムはどうでもいいので、富野由悠季小説と古参ファンが満足すればいいのでは?という怠慢が観えた。ララァだけ擦ればいいのか。サム・ライミがドクターストレンジを適当に解釈してマルチバース作劇したものと同じ。老大家の円熟は見せつけたが、若手が大量に生成したマルチバースものをもう少し取り込むべき。0083とUCをスルーするのは良い。しかしスルーしたものの同作品群とその信者を叩き潰せていない。クランバトルがダメなので。シュウジもFLCLのハルハラハルコそのもの。ギレン即死はギレンの野望や安彦良和へのアンチテーゼ。GundamGQuuuuuuXは安彦良和のガンダムオリジンの逆張り。逆張りしている部分、シャリア・ブルやギレンの扱いは良いが、そこだけ。シャリア・ブルよりもアルティシアの扱いが酷い。巫女を犠牲に捧げる様式は∀のディアナに寄せているように見えるが、最もダメ(北ベトナム戦争の傀儡政権)。ラストのララァもセイラもキャラクター理解が完全に変であり、理解できない。根本的に許せない。
・(ラブコメ、懐古)Summer Pockets

総評 47.5点
鳥白島=寒村=現実逃避で病弱な少女/妖精を教育/保有/超越性を見出して傷を癒すパターン、、Airから同じ。化石。夏休み、寒村、少女、、、傷ついた渡り鳥を天丼するきもさ。
海岸線や防雨林の描写力の高さを活かし、keyは別の文藝に挑戦した方が良い。
例えば松浦理恵子「犬身」、キヅキアキラ+の漫画原作(モンスール、ヨイコノミライ)など。
少年の不幸は水泳部の失敗では無く弱い美少女を求めて止まない感性,基本的に消え去る虹色の蝶々=羽いりのトラウマ克服=美少女の死という図式で理解。
羽入のトラウマ克服に本当に必要なのが弱い美少女なのか疑問、そもそも美少女は勝手に納得して死んでいく構図、、官能の起源を考えてしまう。
ガキ造詣に沸く性欲はガキ。自我の起源を読むべき
石岡良治:(音楽が鳴っていればいい、だけ。Keyの人気の秘密はサントラにあると理解)
・(ラブコメ)紫雲寺家の子供たち

総評 44点
演出:小学生程度の人物造詣で性愛に右顧左眄する様相を耐え抜ける人向け。
シギサワカヤ「九月病」を読んだ方がいい
脚本:父のまとめが雑過ぎ
絵コンテ:家族愛と性愛の相剋描写力は無いので濃厚な性愛描写に注力しても良い。キャンドルナイトは良い
石岡良治:ふつう。女性向けでもある。帝乃三姉妹がチョロい、も同じ構造。男の子が逆ハーレム。とらドラ!の大河、着せ恋の五条。サンデー掲載ラブコメだが、入間くんなど、吸血鬼すぐ死ぬの後追いか。女性ファンの生成で盛り上げる。ハーレムものでも女性同士でキャッキャすると女性ファンの生成可能性がある。
・(ラブコメ)男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)

総評 52点
とらどら!の時期のJ.C.STAFFを追悼してしまう。子供の箱庭の友情愛情ごっこは金で賄われる。最後の悠宇の川辺の急激な悟りの境地は仕上げ過ぎる。槙島とくれはムーブを早期に差し込むともう少し緊張感が出たかもしれない。最後の地べたに寝ころびキス仕掛ける二人を見下ろす構図は作品世界を良く表す。ここだけ満点。収束の為にご都合的に人物造詣が歪曲されてしまうのは残念
石岡良治:アクセがダサい。宮崎県の高校生が東京と往復しながらチョーカーを頑張って作る関連を考えると仕方ない。東京の専門学校などで本気でアクセサリーを学ぶべき。ソウルなどもOK。ダメなのは、人間の必然的な愚かさを描くことによるものが無い。愚かな人間が観たいわけではない。全員愚かなだけ。どう頑張っても別れるしかないカップルなど。小市民シリーズもそこまでやるべきだがそこまで描く度量がない。最後はベタースイート。秒速5センチメートルは、子供がいる夫婦がすれ違うようなものにすべきだったのと同じ構造。くっついたカップルであって幸せであってもそういう要素はありえる
次点】
・(懐古)GAMERA -Rebirth-

総評 87点
怪獣とはボコの潜在的恐怖。ガメラはボコの父性であり潜在的憧憬。偽りの自立を支えるジョーの死、財団との相討ちによるガメラの消失を経て、自立したボコは、可能性としてガメラの赤子を育てる決意を持つ。ビルドゥングスロマンの秀作であり特撮作品の現代の文藝の達成
・(ミステリー、ラブコメ、懐古)小市民シリーズ 第2期

評 85点
探偵小説の臨界点。神がやらなきゃ人がやる。
定期的な中弛みが無いともっと良かった。
演出;鬼気迫る英子が良い。過去への妄執に復讐される構造も良い
脚本;小鳩の超越への憧憬は生身の人間に照射される。自我の成長を放棄する近代小説の鬼子:探偵物語の王道だが結局は小佐内が形而上学から離れられない罠。
互恵関係という噓と小市民の建前は無能より依然として魅力的だが超越への憧憬は消えない。1年かけて瓜野のたわいなさ、小佐内と小鳩のしょうもなさの証明は良いのだがループ感が凄い
石岡良治:次点評価。(アニメをあまり見ない「小説派」にも違和感のない良く出来たアニメ、ゆえに関心高くない。取れ高がない。ただし京都アニメーション以外が作劇すると荒れた可能性があったがラパントラックは巧い。小佐内さんの「他者性」は私に都合のいい厳しいことを言う、ほどよい、可愛い他者性。小鳩くんのショボさにより付き合って別れる時に都合よく拾う。このカップルは共依存で子供が出来たあとに離婚し、老後に籍を入れずに同居する傾向がみえる。小市民シリーズは「チーム未来」と同じ。偏差値高いが「小市民」として保険をかけることで遣り過ごす、安全に痛いゾーン)
・(魔女もの枠)ひみつのアイプリ リング編

総評(1期)86.9点
喜劇とミュージカルのテンポの良さが奇跡的。特に12話が良い。
タカラトミーの革新性を確信
演出;庇護から自立は巣立つ雛鳥に夕陽を背負わせる。
男女アイドルペアの新たな可能性が韓国風ラップで綺麗に纏まる。
脚本;兄弟共依存の脱却を反省と未来へ紡ぐ。バズリウムとは自立と内省の力強さか
絵コンテ;おとめスライム化が良い。男女ペアアイドルの宇宙より広い可能性が見える、、
石岡良治:次点評価。(いろいろ面白展開。姉と弟のカップルの提示など新しい。兄と妹などもあると面白くなりそう。アイドルランドでもやれた可能性があった。女児アニメがボーイズアイドルを取り入れる必要性に応えている)
・(SF)ムーンライズ

総評 88点
人口増加、資源分配、人工知能による最適解支配、人為とアルゴリズム、人工生命と人造植物を、地球側の策略で月の叛乱に見せかけて人口調整(虐殺)することでのディストピアに対する一つのテロを描いた。その終焉と復習への解決としての民主主義、経済的発展を一つの解法とする。
パクス・ロマーナと新たな火種の始まりである。
脚本;地球人の犯罪者が月面に居残り、ジャックがボブに成り代わり演説する下りは納得感はあるも予定調和に見える。どうせならマリーを首相にすべき。
SEED同士として資格もある。
絵コンテ;最終カットがフィルからの友達申請で畳むのはスマホゲームの象徴のようにも見える
・(懐古)LAZARUS ラザロ

総評 86点 ある意味でワースト候補。
日本アニメは中国に負けるのではないかの判断基準。
オシャレでクールな美術と音楽に絵コンテが良く海外受けは十分だが遣ってることは30年遅れ。世界の終りに日常を寿ぐ90年代思想の綺麗な焼き増し。結局ハプナより政府の内輪もめに収斂。カラヴァッジョのラザロの復活から現代に刻むものは日常回帰。スキナーは永遠に胸の中にあれば良いが最後まで劇場版パトレイバー2と思いきや続く日常のラザロ=リコリス・リコイル。
全員ラザロの復活、、FBIだ、DEAだ、ラザロだ!は最高
石岡良治:次点評価。(揺れた。ワースト入れも考えた。渡辺信一郎の良いところと悪いところが全部出ている。前後編のきっかけで話がググっと進む場面と停滞する場面がある。カルト教団篇は許せない。人民議員のモチーフを適当にいじり過ぎ。スーパーハッカー回、40歳おじさんは良い。カウボーイビバップよりいい。主人公は空虚。音楽センスはずっといい。米山麻衣のEDが良い。時折面白いという長期シリーズの作り方)
ジャンルごと】
・(魔女もの枠)ある魔女が死ぬまで

総評 75点 準ワースト
魔女の表象をカウンセリングとビルドゥングスロマンに仕立てる観点で「前橋ウィッチーズ」と並び立つ重要作。
予め規定された死を前に内省する自己の発展をコミカルに描く仕組みは青山吉能の怪演もありアンチ王道として良い。
シリーズ構成が半端なために中間の回を多少削ってでも仕上げを描くとよかったかもしれない。6話、11話が良い
石岡良治:次点評価(好きだが色々隙も大きい。青山吉能の演技は良く、陰気魔女モノは好み。ただし死んでない。リアリティリンも適当。虐めっぽいいじりも不愉快。)
・(魔女もの枠)アン・シャーリー

総評(1期)85点 次点候補
現代の女性の自立を再話する佳作。特に10話が良い。アンの成長とともに周囲を変革していく描写が丁寧。物語創作の感性が成熟と喪失を導くき、現実の挑戦と失敗が想像力を深める。マリラの老衰とアンの成長が胸にじわじわ滲みる。死を悼み積む白いスコッチローズ 橋脚の湖水が本当に美しい
石岡良治:(序盤はアンチがいたが「空気」に、面白くもつまらなくもない。「こんにちはアン」の薄味系と同じ。現代ジュニア名作文庫の挿絵の世界)
・(魔女もの枠)ウィッチウォッチ

総評(1期)77.5点 次点候補
ご近所でしか魔法を及ぼさない理由に物語の範囲を同定しコミカルに終始する狙いは安定的な日常系。魔法はあくまで多様な関係を丸める役割。視覚的なギャップが認識ギャップに重畳する、博史池畠の演出が匠の技で、ホラーからコミカルまで卒ない創りに感心。気楽に観たい人向け
石岡良治:ベスト評価(YOASOBIのやる気問題、全要素万遍なく原作の臭みもいなす)
オモシロイが面白いだけで良いのか問題はある。サブカル糞野郎のユーロ周りネタはウザイがアニメで脱臭。その他「その着せ替え人形は恋をする」はウィッチウォッチが基準作になりえる。このタイプのラブコメが無数に増加すると予感する。ふつうの軽音部もこちらの作風になりえる。単に面白く空虚であるどころか、20年代後半様式の基準にもなりえる。
・(魔女もの枠)プリンセッション・オーケストラ

1期)総評 61点 準ワースト
本編はキングレコードの贅沢なおまけ。OP,EDが本番。
音楽とギミックに関連するコンテの特化と捨象がえぐい。
だるくなりがちな休憩パートが、ながせ投入で各自の個性を引き出すいいバランスとなる。強くなる敵の強さが雑になりがち。
アイキャッチとデフォルメ、必殺技周り満点
石岡良治:次点評価(やっと機能しだした。序盤はシンフォギア。長瀬の投入、女装する回で化けてきた。おっさん向け世界から離脱してきている。乙女のフレーズが引っかかる。)
・(魔女もの枠)「おいでよ魔法少女村」 未見
石岡良治:(地元最高!を観て作劇している印象が強い。もっと頑張れ)

・(ヒーロー再話)ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-

総評 73点 準ワースト
日の当たらない凡人にとり悪の正義を貫くことで何を示すのか。参照はダークナイト。地を這う灰廻と跳躍するポップステップが、声優の対比も含めて対照的。戦闘は悪くないが見せ所が作り辛く結局拳しかないのでシンドイ。黒田洋介の群像劇は巧い。抹消のヒーローの下りや違法行為と私刑行為の葛藤をもっと突っ込むのが良い
石岡良治:(いい感じのスピンオフ)
・(ヒーロー再話、世界市場志向)GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS

総評 78点 準ワースト
人種差別の相克を戦いを通して描く意匠だが空回り気味。ギア戦闘も分裂神戦闘も流麗で丁寧だが、神々のような共通敵は安易。終盤の展開も破綻しており折角の大味展開が解説で台無し。多次元歪曲決壊周りの描写が凄まじい。巻きすぎで折角サンジゲンの美麗な絵コンテが、、
石岡良治:次点評価(1話は良い。ラスボスが格ゲーモチーフとミスマッチ。ラスボスがでかすぎる。グローバルメディアに気配りして、アメコミ翻訳に長けた人たちが頑張った。話数は最初に明示すべき、全体像がわかりにくくなりがち。表現は良いので惜しい。)
・(ヒーロー再話)この恋で鼻血を止めて

総評 69点
アメコミヒーローの日常と非日常の換骨奪胎だが涼宮ハルヒ風の展開は敗北が宿命づけられる。ヒーローは日常の便利機能に記憶とともに衰退し日常に埋没するが、寧ろそれを肯定する諦念に美しさがある。ギャグは赤緑鼻血含め巧い。
4話の想像力が凄まじく、恋愛星の領域展開が酷い、完全なる受精卵に哀しみ群がる女性花の呻き声が悍ましい
石岡良治:(序盤は良い、終盤はワースト、トータルでふつう)
・(ヒーロー再話)Devil May Cry

総評(1期)82.5点
1,2話が秀逸で、宝石店侵入者を撃退する闇兎の切れ方、素人の揺動と悪魔狩り集団の戦闘の連続が切れに切れる。
強化兎頭の最後は良いのだが、
倒して尚ダンテに仇なすレディは筋書きに乗せすぎでは。
美術的意匠は全体的に素晴らしい。
音響は荘厳な悪魔音からロック、ポップまで丁寧
・(ヒーロー再話)ニンジャバットマン対ヤクザリーグ

80点
DCヒーローズが異世界DCヒーローズを畳み、水龍として昇華していく締め方は良いが。。。
演出;パロディがパロディに自己言及する様相は面白いのだが、3DCG美術とセルルック人物が絶妙に浮き勝ち。パロディの2Dアニメもちぐはぐ
脚本;オリガミシステムそヤクザ国家と偽物DCに重ねる様相は面白い。パロディを重ねすぎて緊張感が飛ぶ
絵コンテ:ヤクザが降り注ぎ、自販機に変身し、科学もどき忍法の駆使で突き進む意匠は面白い
音楽;音楽までパロディかと、、
・(ヒーロー再話)未ル わたしのみらい

総評 61点 準ワースト
要するにヤンマー新キャラのPR動画。1話の脚本のデブリを食い止める未ルの逆襲のシャアが最も面白く、他は演出とヤンマー思想で何とか持ち答えた。未ルの位置づけが不十分で視聴者に混乱と可能性を同時に提示する様相は寧ろ新しい。4,5話は輪をかけて酷い
石岡良治:(言われるほどひどくは無いが、ヤンマーの意気込みは空振りしていた)
・(女性向け)WIND BREAKER Season 2

総評(2期)70点 準ワースト
1,2話がピーク。静と動のバランスが凄まじく観ていて震える。只の殴り合いは良いが人生観が情動の表層で途端にぺらくなりがち。喧嘩哲学が強い方が勝つ。椿野も伊藤ももう少し丁寧に描くべき。個人的にはユニセクシャルな老夫婦が椿のと好対照で良い回。
・(女性向け)薬屋のひとりごと 第2期

総評 81点 次点候補
小蘭、子翠の介入により性と暴力に対峙する展開となる。異民族対立と差別、恐怖政治の展開は現代にも通用するが絵コンテがやや散漫なうえ、2025冬と2023春も見ていないと内容が掴めない長すぎる伏線が惜しい。悠木碧は本当に巧い。46,47話は出色の出来。神美を弄する楼蘭が舞い踊り散る間際まで、吉祥天のような輝きを放つ。
石岡良治:次点評価(アニメをあまり見ない「小説派」にも違和感のない良く出来たアニメ、ゆえに関心高くない。取れ高がない。ただの「当て馬キャラのくせして、スパダリ王子に寵愛されています。」。権威主義。女性が活躍するだけでフェミニズムが誤認するコース。宮崎駿だというだけで称賛するのと同じ構図。ノンリスクで王族彼氏をゲットしたい系統。キスは回避するだけ。ただし自分は小学5年生で引っ掛かる可能性があった。なぜなら「グインサーガ」と「現の巫女」に引っかかったから。中学生になり気づいて辞めた)
・(女性向け)クラシック★スターズ

総評 64点 準ワースト
エモージョン世界や羽ばたく黒ロックバンド、宇宙旅行したり白熊とアイススケート、こけし、盆栽と並ぶ先生などチープで奇抜な意匠が目を引く目立たない佳作。学園内装が秀逸。ギフト=強制的論理への投げ込みを自我で抑える羽海野チカムーブである。宇宙も飛行機も楽器表象の展開も面白いがベースはプリティーシリーズにあると観る
石岡良治:(そこまでではないがちょっと面白い)
・(女性向け)黒執事 -緑の魔女編-

総評 78点
後半は面白いがGファンタ腐女子向け描写でやり過ごす助走が長い。呪いを巡る魔女の森という異界への侵入は王道であり、現代の赤ずきんだが科学と地下牢以外に捻りが欲しい。サリヴァン閉鎖用毒ガスがサリンは安易。初老科学者と老婆との長女もグロイ。国より軍より被庇護者の少女に情動を求めるは前時代的だが10,11話の戦闘描写が凄まじい。全体的に背景美術、小物美術が素晴らしい
・(日本神話)鬼人幻燈抄

総評(1期)80点 次点候補
丁寧で緩慢。寓話的には王道。負の感情の表象としての鬼や怪物は小噺向きでありテーマと作風の合致が素晴らしい。簪や笄といった小道具美術、雪柳や畳の痛みなど背景美術が素晴らしい。特に9話が素晴らしく、ほととぎすが巡る思いの表象として未来へ飛び立つ。もののあわれが付喪神を通して情動へ向かう描写が見事
石岡良治:(1話の兄弟ドロドロや中盤は良いが、いきなり現代篇になるとつまらない)
・(日常系)ざつ旅-That’s Journey-

総評 64点 準ワースト
少ない予算をキャプチャで廻す見本の可能性を考える良い機会。漫画をそのまま使うならFLCLを参照しても良い(不動明王風に、怒り)。そのままでは何の学びも得られないのを只の観光感で醸すのは何にも出会えない現代のSNSマーケの隠喩。謎説教が興醒め
石岡良治:ワースト評価(「これぞ雑な旅」ですべてが許される?)
「お前ら日本の伝統好きだろう」感、雑なのに伝統に寄りかかる雑な保守主義が嫌。ならいろんな場所に行くべき。伊勢志摩とか。あfろくらい地元愛保守がありつつも広がりがあるようやるべき。50年前からあるディスカバージャパン、乗り鉄などの一番ショボいカルチャーが出ている。作者が漫画家でいろんな人たちにちやほやされる異世界なろうモードが出てしまっている。
・(日常系)ツインズひなひま

65点
演出:猫動画が歪み過ぎてシュレディンガーか。蕩ける街並みは生成AIバーガーを想起。画角は平凡
脚本:分かり易く彼岸をわたり鏡の国へ。VR説明の下りは興醒め
キャラクターデザイン:ハイデガー存在と時間を読む姉ひまりが天然妹ひなと対比。
AI/3Dテクニカル:ダラケタ時計がダリの時空間の歪みと日常の歪みを併発。VR世界も巧いが張りぼて感も
音響:日常と非日常を対比する無音はやや緊張感を落とす
OP:やってみた動画感の安さが良く出ている
ED:OPより手書きの方が自然である
・(日常系)日々は過ぎれど飯うまし

総評 85点
根拠不明の引っ込み思案と陽キャの対比が料理で新しい世界を拓く。丁寧な料理、食事シーンは流石のPAWORKS、垂涎もの。
キャラデザは全体的に丁寧で事務員含めて良いが、モコ太郎が全てを持っていく。やや中弛むが最後まで調理をやり抜く信念が力強く最後まで見通せる。特に納涼の夏野菜、ジビエカレー、古民家の白米+イワナ+水団がすばらしい。ちゃんとしたアニメで癒されたい人向け。
2025春アニメでの日常系では唯一オモシロイ
石岡良治:次点評価(都立大アニメ、ひつじちゃんの口癖、某ネットミームを言いそうなキャラ。毎週「やりましたねぇ~」という言葉を出すが、チキンゲームの管理は完璧。静かに見守るが。ネットカルチャーを腐らせた諸悪の根源。)
・(日常系)mono

総評 80.4点
特に序盤の瞬間を切り出して豊かさを見出す、写真部と先輩への憧憬の混同を一瞬で終らせる潔さが良い。序盤の風景の抜出、特に針伏山頂の重畳景観が神々しく、眼の焼き付きも上手い
山梨(内船駅など)の田舎感がいい。一方で早々に写真と映画の主題を切り捨てて日常の食事と観光に走ってしまった。漫画家などのダメな大人の願望を投影する女子高生は良くない。全体的に丁寧な絵コンテと作画、演出と美術だが脚本に足を引っ張られた。アニメで癒されたい人向け
石岡良治:次点評価(年長組が居なければベスト、オカルト先輩がもっと出張ってたらワースト。評価は乱高下。1話、ED、OPは良い。作画が良ければ何でも良い、の価値観に甘えすぎ。あfろには基本的に疑問符。アニオタで作画オタは本作に無条件でBETしがち。作画や演出は重要だが。日々は過ぎれどめしは作画的には価値は無いが。monoは桜子が好き。ローテンション系。ひつじちゃんも桜子も、オタク系女子は甲高いと思われがちだが近年に至り低音化していることを見逃すべきでない。先輩は最後に戻ってきてよかった。百合BATINGか。漫画版はゴミ。作者の自意識が漏れ出過ぎ。ざつ旅と同じ。アニメは良い)
・(日常系)リコリス・リコイル Friends are thieves of time.

総評 83.3点 次点候補
演出;非日常に逃避するフリの千束と、日常回帰を促すたきなが好対照。いきなり強盗捕り物もいい。日常を喫茶リコリコ周りで完結させる思想で押通す観念はファンもリコリスも彩を与えるに過ぎないことを示す。
演出;淀みない分日常の閉鎖性が浮き上がる
脚本;ショート的には妥当
音響;コミカルにし過ぎ
石岡良治:次点評価(前期のベンチマーク。GundamGQuuuuuuXより面白い。でもベストに入れたらダメ。)
・「ボールパークでつかまえて」 未見
石岡良治:(シーズン2は無いと予感するが、シーズン2の方が面白くなりそう。だがおっさん接待感が強い。プロ野球は全球団にファンがいる。グラゼニに憧れたコージイになりたかった作風)

・「宇宙人ムームー」 未見
石岡良治:(大学生アニメ。主要キャラを小学生っぽくすると纏まる。ミスと部長のカップルに作者の願望が観える。猫は好きではない。捜査官と一緒にいるシベリアくんが苦労人で猫で好き。キャラへの肉間フェチが出過ぎ)

(途中で挫折)
・(日常系、ラブコメ)阿波連さんははかれない season2 1話のみ

50点 OP,EDのノリを保ってほしい、、
演出あずまんが大王*先輩がうざい後輩の話*きらら系。生命線のギャグを頑張ってほしい。浮遊感は巧い
脚本;原作の動画への翻訳は検討の余地が
絵コンテ;まどマギのほむらの構図は良い。涙を流し過ぎ
キャラデザ;大城をもっと出しても良い
美術;デフォルメし過ぎ
音響;浮遊感
OP;宇宙的都市をループホールする意匠は作風と合致して良い
ED;水彩画の優しさが良い
・(ラブコメ、SF)青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

総評 70点
精神疾患の妹かえでと家庭崩壊を支える咲太が敏感さと鈍感さ(ブタ)を基に思春期症候群(物理理論揺らぎ各種)の少女達と向き合う
筋書きは面白いも咲太を始め人物造詣が2段階位で深みが欲しいのは贅沢か
cloverworksはいい仕事。
解離性障害は迂闊に使わないのが良い。
実妹がその症例で本気で大変、完治しない
avemujicaくらいの密度と覚悟が無いなら、題材として用いるものではないかと。古賀朋絵までは愛嬌だが双葉あたりから「私なんか必要ない」と叫びながら海とか水近郊に奔る→咲太が宥めるパターンを天丼されると、様式美というより少女を擬態した少年の叫びのようで辛い
・補足)映画#青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない 75点

TV版より双葉や麻衣や咲太の造詣は丁寧で共感可能性が高いも、翔子の弱い根拠がネック。認識理論で咲太が未来から現在を救いつつ祥子を諦める様式美は、記憶とともに残る理論であるが、未来咲太が救う現在は翔子を失う成熟と喪失であり、SFで救う逆転劇であるが、結局女が救うのか。コンテは崩れがち
・(ラブコメ)履いてください、鷹峰さん

35点
演出;ガンガンの中で童貞向けリビドー解放担当マゾヒズムという位置づけ。リピートする世界線はアダルトフラグの屹立。小中学生が此れを読むことで帰れずの沼に溺れる工程が眼に浮かぶ。クローゼット=RBGY蝶々扉は興味深い
脚本;崩れるコンテが冗長感を加速。逮捕拘留からのリピートは良い
絵コンテ:アイキャッチがダサ過ぎ。JOKERは基本的にボディラインが崩れがちでチャンピオン並。雑なキラキラ。パンツを履かせる構図は巧い。エフェクトw尻丸出しからRGBYの蝶々と宇宙の扉はおっぱいの予期だが観辛い。デッサンは崩れる
美術;晴れる雲間は巧い
ED;多種多様な登場人物の予期は良い
石岡良治:汚い。汚くなることで不謹慎性を減らす。エロコメの方がエロくない。ピンポンダッシュ覗きアングル。制服洗わないので汚いなど。分泌物が大変。
・(ガールズバンド、部活)ロックは淑女の嗜みでして

総評 66.9点 ワースト候補
インストバンドは最後には領域展開で締めてしまう。粗い線がノイズ。中学生程度の妄想百合エロスがノイズ以上になりえてない。お嬢様罵倒の落差はアリだが浮遊感が拭えず、富裕層のお遊び以上のものが欲しい。私的言語は全てパンクにすべき。13話の演奏が圧倒的で従前とは段違いの演奏、画面構成。ロックは自分探しではないと嘯き実態は自分探しであり演奏中の解説もノイズ。
ぼざろ、MyGO、ガルクラ、AveMujica等を基軸に考えると音楽自体の魅力が重要
石岡良治:(ガールズバンドアニメのクオリティの高いものが多すぎて可哀想な作品。琴を弾くアニメ、この音とまれ、ファミリービジネスものだが、小粒感があるが、同じ構造。悪い原作ではないが2020年代前半のガールズバンドアニメの膨大な良作と比較されてしまう。妹が即効お姉さまに落ちるのは良かった。お姉さまが下品単語を連発してオラオラするのは単純な構造。普通の軽音部は面白いが評価はしない。アニメは成功すると思う。ロックの清濁、許諾を取ることで。ボーカルを入れないことの限界がある)
(途中で挫折)
・(部活)青のオーケストラ 1話のみ

65点
演出;親トラウマで辞めたヴァイオリンを下手なアスカ教育でリカバリする系統に終始するのはちょっと、、
脚本;ハジメの過去話に重点置きすぎでは
絵コンテ;冒頭、秋音との邂逅は良い
キャラデザ;サンデー風味
美術;保健室の流し場は良い
音響;普通
ED;青い線が躍動する若さと純粋さは良い
・(リバイバル)真・侍伝 YAIBA 1話のみ

90点 ライデンフィルムはリバイバル専門なのか?
演出:鬼丸戦もSNS風味も良い
脚本:ジャングルからタクシー、道場まで鮮やか
絵コンテ:ジャングル戦も武藤戦も良く動きキレがある
キャラデザ:やや古いサンデー、セクハラネタ含め
美術:スカイツリーは作劇時代的にいいのか?
OP:最大限の高揚感
ED:SNS風味も良い
石岡良治:(本当はワースト。作画オタは絶賛されるが?アニメーター翼賛者が毎回称賛する。Monoとセットで絶賛する。空気作品。魂はない。魔神創造伝ワタルのほうが楽しい。平成初期のキッズ物を中年の作画オタがリブートするダメな典型例。魔法陣グルグルは良い。)
・(ホビー、SF)魔神創造伝ワタル 15話まで

68点
演出:動画撮影に逃げ始める構造が辛い 叱るオフラインとマネっ子は良い 戦闘もフィニッシュもしっかり描けてるだけに惜しい
脚本:1クールで収めるべきだった、、オンライン登場後が冗長
絵コンテ:複数の龍神の絡み合いが素晴らしい
・異世界転生、悪役令嬢) ※全て未見
石岡良治:総括;総じて2025冬アニメの異世界ものより思想的水準が良くなった。性的搾取構造が無くなるなど。異世界ものに対する期待値が下がり過ぎたせいで良く見えがち。
「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治療師、闇ヒーラーとして楽しく生きる」
石岡良治:(非道じゃないだけで評価が少し上がる奇妙さ。1話で嫌な貴族が後で良い人になる展開が直近の様式美になりつつある)
「俺は星間国家の悪徳領主!」
石岡良治:(昔は無理やりベストに入れていた。序盤は良い。後半はつまらない)
「片田舎のおっさん、剣聖になる」
石岡良治:ワースト評価(受けているがしかし)
海外では覇権。「Aランクパーティ」もワーストに入れる要素があったが、単純にきもいだけ。本作は一見きもさがなく、娘を性的に観えていない。理由はテレ朝がちゃんと放送しているから。実は未だに民放主要局に入っている作品は強い。マスメディアが未だに支配的。選挙も同じ。
「勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~」
石岡良治:(これも10代なら「なんちゃら太郎」だった)
「完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる」
石岡良治:(薬屋のひとりごと2期より良い。復讐ドン引きだが悪くない。復讐を正当化する作劇は最悪)
「ゴリラの神から加護された礼状は王立騎士団で可愛がられる」
石岡良治:(人類はゴリラネタを克服すべき。霊長類のバグであり人類の限界。HUNTER×HUNTERですら面白がる。でも無理か。進化論を振り回すのも同じ。ダーウィン事変など。
ハーレム、スパダリ、ゴリラに集約される)
「#コンパス2.0」
石岡良治:(デルビンがもっと活躍するべき。埋もれた。バーチャルワールドものとしてもっと面白く出来た。中二病男女を獲得する可能性があった。アニオタは完全にスルーしてYoutuberやVtuber好きな層に届けるべきだった)
「最強の王様、二度目の人生は何をする?」
石岡良治:(北米作者だが、原作者の出身地域を問わないことがわかる)
「白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます」
石岡良治:(混乱した漫画のよう。だがB級グルメ的には面白い)
「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになっていました~そのに~」
「ちょっとだけ愛が重いダークエルフが異世界から追いかけてきた」
その他続編
「戦隊大失格 2nd season」 未見
石岡良治:(もはや誰も観ていない感。ディズニープラスアニメだからか。1期より少し面白い。ダークヒーローものというよりふつうの青年誌。春場ねぎは、だめ。巨乳出し過ぎ。ヤンキー姉の翡翠カノンまで巨乳にするのか。「瑠璃の宝石」の巨乳と同じ構造。リビドーが無いとやる気が出ないのか。生命、性欲エネルギーは仕方ないがそれでよいのか。ポルノ否定論者ではないが翡翠カノン先輩はもっと良いキャラ造詣にできるはず。ザ・ボーイズやウォッチメンなどの作品を真面目に参照する気概も理念もないのなら、「死ね死ね団」をやるだけでいい。黄金バットや月光仮面を参照するだけでも十分にいい作品になるはず。日本のエンタメは明朗としたヒーローものは無い。もともとヒーローは闇を抱えがち)
・まとめ
20年代後半様式の模索へ(引用、石岡良治)
※2025年冬アニメ、春アニメの異世界ものの在庫一掃観は、来るべき30年代との向き合い、過去5-10年の総決算を急ぎ足で遣ろうとしたために、過酷な出来の(酷い)アニメの量産と成った可能性がある。
補足)今世紀はロマンスでは対抗できない。反ロマンス主義の時代である。
また嫉妬するのが女性であるという、誤った他者感覚も影響する。
男性も権力闘争などで嫉妬を感受する。
ナチズムやスターリニズムの粛清は嫉妬であり同じ構造である。
この文脈ではトワイライト・ウォリアーズに対抗できるか。
「機動戦士GundamGQuuuuuuX」は完全に失敗した。
現状日本で対抗出来ているのは、「BanGDream!It’sMyGO!!!!!」
および「BanGDream!AveMujica」であると考えてよいだろう。
(引用終わり)
追記)(石岡良治、ニコニコ動画より)
10年期(ディケイド)の半分の単位ラストラムLustrum→5年期でアニメ業界と作品を追うことを提唱する。
アニメ好き、文化関連の学者に根深い「反映論唾棄」はやはり間違い。なぜなら1-3月期決算におけるコロナ前やコロナ期の作品は20年代最後の3月に一括消化、在庫処分する傾向が大いにあった。25年後半に大作が大きく投入される予定もそのため。なぜなら企画者が「今年は何年か」を意識して仕掛けるから。これらをIP管理側も認識して仕掛けている。例えば震災影響などの言論を嫌う人はいるが、現実には震災でアニメ業界は動きに動いた。大いに影響あり。リフレクションというよりレゾナンス;反映である。
運命の巻戻士への期待も、子供文化のセグメントにより強く再生産される傾向がある。子供向けエンタメのジェンダーセグメンテーションが大きな影響力をもつ。
参考文献
・2025春アニメ 石岡良治の最強伝説 2025.7.18 ニコニコ動画、PLANETS