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きみの色  ~祈りに見出す喜び~

山田尚子監督の最新作、劇場アニメーション「きみの色」を観てきた。公開初日、台風10号の接近の影響で交通機関は乱れ留まり、映画館の人の入りも夜が更けるほどに疎らだった。所感としては、良かった。未熟な自我の、キャンバスに描かれる不可能性への諦念...
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ぼっち・ざ・ろっく!   ~大衆化した音楽アニメの豊かな萌芽~

2024年6月公開の劇場版「ぼっち・ざ・ろっく!Re:」、同年8月公開の「ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:」を観てきた。連れて行った小学4年生の娘が存外に大満足していたので、改めてその魅力について考えてみたい。・あらすじ簡単にアニメーション...
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四畳半神話大系     ~可能世界と代替不可能性~

・「セカイ系」から「日常系」へ「セカイ系」とは何か。端的に言えばそれは、(多くは肥大化した)「自意識」を、(多くは矮小化された)「世界」(恋愛等)に回収させることで世界を充足、物語を構成する物語体系である。個人の自意識や自立の観点から、やや...
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True tears ~思春期の美しさと儚さ~

批評家で早稲田大学教授である石岡良治は、この作品を称して「思春期」の「美しい終わらせ方」という表現を用いた。思春期とその終わりを考えるうえで、天然キャラへの考察がかつてなく面白い、そういう視点で、富山県の南砺市を舞台に繰り広げる、昼ドラ展開...
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蒼穹のファフナー    ~祝祭としての人身御供について~

「蒼穹のファフナー」シリーズを全て、具体的には「第1期(2005年)」、「TV special RIGHT OF LEFT」「劇場版 HEAVEN AND EARTH」「EXODUS」「THE BEYOND」を鑑了した。所感としては、1期で...
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「機動戦士ガンダム  SEED FREEDOM」 ~現代の戦争観と公平・公正な社会について~

ガンダム映画歴代史上最高の興行収入48億円、動員観客数250万人以上を打ち立てた、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」を鑑賞した。作画、絵コンテ、演出、そして毎度秀逸なアイキャッチ画像(ガンダムがソードを斜に構えた止め画)、新旧のガ...
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とらドラ! ~「愛するということ」、あるいは自立について~

0年代終盤のラブコメ金字塔にして、特に脚本家、アニメーション監督 岡田麿里の初期の脚本の代表作として知られる、「とらドラ!」。ゼロ年代に台頭してきた、個人の成長や成熟を、明確な経済的自立や技術力などの立脚点ではなく、多様化し高速化、複雑化す...
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ガールズバンドクライ  ~ロックとアニメの射程について~

・所感・音楽の射程距離とロックであること・演出・脚本・作画・メインキャラクターの成長・サブキャラクターの成長や関係性・音楽および楽曲・東映アニメーションについてガールズバンドクライ(ガルクラ)を見終えた。正直に言って、音楽界隈に掛けた最近の...
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時光代理人Ⅱ Link Click ~中国社会と現実の改変可能性について~

中華人民共和国発祥のアニメーション。2期からの視聴であるもクオリティの高さに衝撃を受けたので以下所感。・監督、脚本; 李豪凌(リ・ハオリン)による終始一貫したシリアスなストーリーラインで、一回性の現実に対する責任感や無力感とともに、立ち向か...
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ゴールデンタイム ~アイデンティティの相克と記憶について~

竹宮ゆゆ子原作、J.C.STAFF制作のアニメ「ゴールデンタイム」鑑了した。以下所感。・記憶と人格の結びつきを、成人前後の恋愛感情を交えることで、アイデンティティの確立として昇華するプロセスを描く、ラブコメ風シリアス記憶喪失群像劇。・基本的...