少女革命ウテナ

アニメ

発表から30年近く経過した今であるが、初見であり、「輪るピングドラム」劇場版を振り返るためにも、幾原邦彦作品を鑑賞しようとのことで実施。以下感想。

・正直に言って面白かった。特に序盤の数話、10話前後、22話前後、最終話の前後4話あたりは非常によく纏まっていたと感じる。

・一方で冗長に過ぎるストーリー構成や感情移入の余地のない人物描写など課題も感じた。

本作品は大きく以下2点に集約されると考える。
① 少女の問題(少年の問題)…社会人になる前段階であり、経済的にも社会的にも不安定で、いわゆる「自立心」の確立を求める時期である。
では、自立心をどのように確立するのか?
・一つは、王子を求める/王子を目指す存在として(初期ウテナ、その他登場する大多数の登場人物に代表される)
・一つは、他人の成長を支える存在として(中期ウテナ)
・一つは大切にしたい信念/存在を守れる存在として(後期ウテナ)

では、自立心とは何であるか?
・一つは、他者に依存しない、尚且つ責任ある自我を持っている(スピノザ式)
・経済的、社会的、政治的に独立した存在である(現代的)

②革命の問題…革命とは現状を肯定しつつさらにより良い方向へと変化することが必要であると確信的に行うことである。
では、何を現状の課題として何を革命/より良い方向へ変化させるのか?
・一つは、少女が成長していく過程を課題として(過剰に他者を必要とする状況)
・一つは、少女が理想とする偶像を課題として(過剰に自己の空想を肯定する状況)
・一つは助けられる側の視点を課題として(自由からの逃走、、、終盤の姫宮アンシー)

上記を踏まえ、 この作品で達成できたものは何か?
・自立的な少女として、状況依存的な他者との関係を築けた点
 →状況依存的な他者としての少女が、可能性を理解し、変化を志向する人間へと「革命」した点。最終話のウテナとアンシーの別れに見る、アンシーの成長が顕著に示している。

逆に、この作品の課題点は何か?
・美術的、意匠的な演出と長期連載アニメーションを両立させるために、
  所謂「バンク」シーン以外にも近似したプロットを頻出させなければならず、
  時間軸として大きく間延びしていた
・登場人物の感情描写がシーン毎に完結し、長期的な活動との整合性が極端に低く、
  感情移入する余地が全くない点

おそらくこの時期の長期アニメーションの課題に通底するが、プロットが冗長的すぎるのはどの作品にも課題であるものの、その長期性を活かした作品も幾つか存在しているため、ここは概ね次回作の「輪るピングドラム」にて集約、前進が見られる観点であろう

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