劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 


~リライティングの困難さ~

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に帰属します

・所感
・要素評価


・所感
2025.7.21に家族で鬼滅の刃 無限城編第一章を観てきた。
娘の感想「地獄だった(特に前半)」
妻の感想「感動した、特に我妻と猗窩座」
筆者の所見は「要素評価」参照。概ね娘と同意見。

売上高視点から。開始三日で興行収入60億円突破。
つまり日本のスクリーンの4割が鬼滅の刃で満員御礼となる試算(一日8回上映×100人収容/日本のスクリーン数3600)

アニメ業界全体のトレンドについて。(石岡良治より参照)
2025年の春夏とあからさまに野心的な企画が増えている。
(シャフト「忍者と殺し屋のふたりぐらし」
京都アニメーション「CITY」「小林さんちのメイドラゴン」
Cygames「アポカリプスホテル」
ブシロード「BanGDream!AveMujica」などなど)
参照 2025春アニメ

そんななか「劇場版「鬼滅の刃」無限城編」第一章 猗窩座再来」公開。
鬼滅の刃無限まつりはあと何年続くか?

鬼滅の刃登場当時は傍流派(呪術廻戦、チェンソーマンなど)だったが、
今や完全にドラゴンボール、ワンピース枠化している。アニメはバトル描写が凄い。ドラゴンボール、ワンピースは冒険とバトル。それらに鬼滅の刃アニメは近づけていく印象がある。

「進行中に実質リブート状態」説もありえる。
リブート、リメイクは最短10年間で発生しがち。
鬼滅の刃アニメが長々と上映する間にリメイクの鬼滅の刃アニメが出る予感。
今で言えばおそ松さん4期、美男高校地球防衛部(リブート予備軍、お尻ネタ)。
鬼滅の刃アニメ映画は完結まで2030年、下手すると2035年までやるのではないか。

ジャンプ一強時代の終焉を予期するが、
今、タコピーの原罪がSNS界隈でバズってもおり、文化的な多源性を萌芽するのか、終焉へ向かうのか見極める分水嶺になる年となる予感する(引用終わり)


・要素評価

70点

総括:

リライティングは地獄の仕事。初見なのかファンなのかの視聴者層を絞り切れない制作会社の落ち度であり、これを映画3部作にする決断を下したANIPLEX、集英社、ufotableは地獄を見るべき

演出:

猗窩座の過去編は丁寧な後述法。他は、、

脚本:

後述法のダメな見本。前半の胡蝶しのぶ、善逸の下りが良くない。特に前者の断続的な後述法の連用が視聴者の集中力を無限に削る、まさに地獄を観る。竈門父の台詞「閉じる/綴じる」(透明な呼吸の秘伝)とあるが、脚本自体をもっと「閉じる」べき。tvで2回に分割して制作し、猗窩座再来のみに絞るべきだった。映画の尺的には歯切れが悪いのだろうが。劇場中央や後部座席のちびっ子たちは1時間経過前後で完全に飽きて、手足をバタバタさせたりお喋りしていた

絵コンテ:

冒頭の散り散りの落下と個別の戦闘、胡蝶しのぶの数々の毒の斬撃(特に最後の剣戟)、善逸の七の型、猗窩座戦闘全般が凄まじい。逆に胡蝶しのぶの過去編の断絶的な構成、善逸の過去編の糞寒いギャグの下りがキツイ。

キャラデザ:

竈門炭治郎、我妻善逸、富岡義勇の説教臭さが拭いきれない。炭治郎の説明台詞の多さは子供視聴者をみくびりすぎ

美術:

冒頭の墓場群隊、冒頭から吸い込まれる無限城の無限に広がる殆ど狂気の様な仕上がりの意匠が凄まじい

3Dレンダリング:

本作のMVP。歴史に残る流麗で美麗な仕上がりに目を見張る。最も予算と時間を投下した果実を感じる。未来に残すべき遺産

音響:

随時に光るクラシカルなバックグラウンドが戦闘とウェットを盛り上げる

音楽:

冒頭の散開する状況での楽曲、エンディングのaimer、梶原由紀が素晴らしい

文藝:

作劇と絵コンテの3DCGの円熟以外に観るべきものが見当たらないのは大作映画の相剋すべきジレンマ

参照
2025春アニメ 石岡良治の最強伝説 2025.7.18

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